某会社の本社社屋である。緑豊かな公園が隣接する環境の良い場所に立地する。周辺の景観と調和するような外観デザインを目指した。外観を特徴づける、外壁の木は地元産の木材を使用し、下見板張りとした。また、下から見上げた際にも木の印象をより感じられるように軒天にも木を用いた。また、外部のバルコニーにより、汚れに配慮するとともに、水平ラインを強調したデザインとした。 　建物のコンセプトとしては、①「コラボレーションオフィス（社内だけでなく、社外の人の交流の活性化・情報共有の促進）」として、部門間の仕切りを無くし、全部署をワンフロアにおさめることで、意思疎通を促進し一体感を生み出すようにした。②「人にやさしいオフィス（もてなし、癒し）」として、公園の景観を最大限取りこみつつ、事務所内部の床や壁の一部に木材を使用し、建物全体に木を用い親しみやすくあたたかみのある空間を目指した。③「緑豊かな公園の景観を建物に最大限取りこむ」ように、ホールや廊下、階段室に大きなガラス開口部を設け、公園と一体感が生まれるように配慮している。④「エコオフィス（環境への配慮、省エネ、ライフサイクルコスト削減）」として、開口部にLow-eガラスを用いるなど高断熱省エネルギーに配慮、自然採光、自然換気を利用したオフィス等に配慮した。⑤「地域の防災拠点、復興支援の拠点にもなるオフィス」として、災害時にも地域の復興への支援を行えるように、耐震性能を一般の建物の1.25倍とし、非常時に発電機の設置に対応する仕組み等を設けた。