敷地は市内中心部の、商業ビル、分譲マンション、寺院、京町家などが混在するエリアです。前面道路をはさんだ向かい側には六角堂（頂法寺）があります。
通りに立った時の視線に近い１，２階の外観については、一文字瓦の軒庇、竪格子にて構成し、六角通に点在する京町家のデザインを踏襲しています。
一方、通りからセットバックさせた３～９階については、シンプルな形状にて構成、仕上材の数を絞り、現代的な佇まいとしました。仕上材については、冷たい印象とならないよう、素材感のある湿式タイルや杉板型枠のコンクリートを採用しました。
10階の食堂に面したテラスからは、頂法寺の境内の緑や遠くに大文字山、比叡山を望むことができます。
入居者様の個室のある基準階については、住まいの場として飽きのこない、穏やかな色彩、素材感にて計画し、共用部である食堂や多目的室、エントランスホールなどは、少し華やかさやデザイン要素を増やすことで、フロア間の移動によって、異なる空間を体感できるように考えました。